べ・・・別にあんたのために書いてあげた訳じゃないんだからねっ!

キィン・・・キィン・・・
刃物と刃物とが交わる音が空間内を反響していく。
「はあッ・・・ぐっッ・・・。」
じゅんの両手には光り輝く刃を持った剣が握られている。
闇と戦い始めて早1時間が経とうとしていた。
「アナタは、私にはかないません。素直に負けを・・・」
「うるせえ!!」
今度はじゅんの放った言葉が反響し、沈黙へと変わった。
「・・・アナタは考えたことがありますか?」
「何をだ。」
「我々がどうして戦っているのかを。」
そういえば、そうだ。
何故戦ってる?
こんなことやってるよりもゲームとか、カードとか、そっちのほうが楽じゃねーか。
どうして俺は戦っている?
別に仲間を殺された主人公でもない。
何故だ?

次の瞬間、俺は自分が笑っているのに気がついた。
実際には笑っていなかったかもしれないが、心の中では笑っていた。
熱くなった自分の体。
額を伝う汗。
高鳴る鼓動。
「楽しいから・・・。」
自然と言葉がこぼれた。
「楽しい?」
「ああ。」
「一歩間違ったら死ぬとも言えるこの状況が?」
「そうだ。」
やっと気づいた。
この充実感とスリルの掛け持ち。
――俺は、生きてる。
「・・・ふうっ!」
俺は大きなため息をひとつついた。
「どうしたんです?」
奴の質問に答えることなく、両手を地面に押し付ける。
「・・・・・・a・・・s・・・・・・・・dd・・・・・・・・・・・・se・・w・・・・・・」
「日本語でおk」
自分でも理解できない呪文。
ただ頭じゃなく、感覚として残っている。
呟いた呪文が終わると、地面から黒刀が姿を現した。
「・・・終わらせるのももったいないが、仲間が待っているんでな。」
じゅんは片手に白く光る剣を、
もう片方の手には黒く濁った剣を持ち・・・。
「グアアッダガ・・・フーッフーッ・・・バシャーーーーーッッ」
人間とは思えないほどの声をあげた。
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by zyakuuru212 | 2008-09-23 00:54